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2020/11/03

コロナ後の世界

新型コロナウィルスの影響は当初考えら

れた事を大きく超えて全世界の隅々まで

押し寄せています。

 

経済、デジタル技術、グローバリズムなど

の多角的な視点から岩村充氏が綴ります。

「ポストコロナの資本主義」

岩村 充 著

日経BP・日本経済新聞出版本部 

2020年8月20日出版

日本銀行を経て早稲田大学教授

 

退職者生活をしている筆者でも大きな影響

を考えざるを得ません。この本のテーマ

を通じ、皆さまの何がしらのヒントになれば・・・

 

◇接触追跡システムの光と影

1918年から1920年にかけて世界を襲った

スペイン風邪で全世界2500万人~3000万人

の死者を出した。日本では約35万人。

日本はマスク、うがいの励行など民衆を

団結させ、世界的には成功した部類に入る

だろう。

 

しかし、そうした民衆レベルの「総力戦」は

国家権力と民衆の精神的結合という素地を

作り、後の昭和の国家総動員体制の下敷き

になったという見方もできる。

 

今回のコロナ渦では多くの国で「接触追跡

システム」のスマホアプリが導入された。

 

アプリはプライバシー侵害に配慮し、個人

情報が特定されない仕様になっている。

しかし、その動作条件はグーグルとアップル

が定めており、両社が強大な力を持つ恐れ

がある。スマホのOSをほぼ独占しているから

だ。

 

さらに注意すべきことは、このアプリは

文字通り「接触追跡アプリ」であって「感染

者追跡アプリ」ではないことだ。

 

だから、追跡したい人を「COVID-19感染者」

ではなく「反政府活動参加者疑惑者」に変更

すれば、公安者が不意に姿を現す可能性にも

つながる。

 

◇デジタルは夢か悪夢か

ZOOMのような多くの人が同時にコミュニケ

ーションシステムが驚くほどの勢いで増えて

いる。(注:筆者もその一人)こうした「仮想

集会プラットホーム」はこれから世界をどう

変えるのか。

 

・仮想集会プラットホームで営業が変わる

これが作り出す変化は既に多くの職場で現れ

ている。社内や取引先との打ち合わせをテレ

ワークで行うことは既に多くの職場で普通の

こととなっている。

 

この変化は「営業」にも及ぶだろう。時間

と交通費を掛けて出かけていくことや来て

くれた顧客のために時間と会議室を確保する

といったことが重要な要素にならなくなると、

「昔から取引先とつながっていること」

の価値が色あせる。それは企業と企業あるい

は金融機関などとの関係を根本から変えて

しまうかもしれない。

 

・企業における「人のつながり方」の変化

今までは企業に属するあくまで自身と雇用

関係にある企業の一員として「強いつな

がり」として意識してきた。

 

しかし、コロナ渦によるテレワークの推進

で従来の組織構造の変化には時間と費用が

かかるという点を一挙に蹴散らしてしまった。

 

社外と社内の「人のつながり方」の強弱は

どんどん逆転していくだろう。このことは

やがて「株式会社」という企業形態にも

大きな変化を促すものになるだろう。

 

・低くなる国境の壁

「仮想集会プラットホーム」による人の

つながりは国境を越える。そのため、人々

に国家体制への帰属を義務付け、反体制派

への監視を行うことで国家を維持している

国ではこのプラットホームは不都合なもの

となる。

 

◇グローバリズムは変わるのか

・資本移動のメガトレンドは変わらない

感染症への恐怖は一時的にグローバリズム

を止める面がある。特に季節労働者や貧し

い移民の移動が阻まれる。すると、安価な

労働力に頼ってきた先進国では、単純労働

の単価が上がり、製造業などの作業拠点が

国外へ移動する可能性がある。

 

・格差の拡大と中間層の崩壊は続く

日本のような国では低賃金の労働者たちの

間での格差は縮小していくだろうが、割を

食うのは中間層である。彼らの就労条件

には改善する理由がなく、経済の停滞の

影響を最も手ひどく受けるからだ。

 

・裂けていく世界

コロナ渦で世界政治における協調は失われ

つつある。感染症対策を巡って世界は分裂

する「感染症対策ブロック」ともいうべき

現象が出現する恐れがある。

 

ちょうど100年前に起こったスペン風邪の

猛威の後、貿易と投資のブロックによる

世界の分割が人類史上最大の惨禍となる

世界大戦を招いたように、感染症対策

ブロックにより世界が分裂し、真の悲劇

が生じかねない。私たちの眼の前に

あるもの、それは予兆に過ぎないのかも

しれないのである。

 

 

普段は悲観的な考えは取り上げないように

務めていますが、コロナ渦が「人と人との

つながり」のあり方を変え、既存の組織

や文化まで変えてしまい、果ては、

世界の分裂→世界の争い→世界の悲劇の

到来という百年前に起きたサイクルには

かなり用心していくことが肝要だと感じる

ものです。

 

Dsc_1397

毎年11月上旬にはきっちり花をつけて

くれる「つわぶき」。今年も仕事を

してくれます。

Dsc_1396

山茶花の芽を先日剪定中に誤って切って

しまい、キャップに水差ししていたら

きれいに咲いてくれました。

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