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2020/09/03

儒教とは何か

この年になる迄知っているようで知らない

ことは実に多いと感じています。

 

禅とは何か?とか、改めて体系的にエッ

センスを知る意味は大きいと思います。

今回は知らない間に日本人に浸透して

いる「儒教」についておさらいします。

 

「儒教とは何か 追補版」 

加地伸行著 中央公論新社

 

宗教というよりも倫理道徳や古い封建

的思想といったイメージを持たれがちな

儒教の宗教性を考察しています。

 

 

◇葬式と儒教

日本の仏式葬式で多くの参列者は柩を

拝む。だが、仏教徒は本尊を拝むべきで

柩を拝むのは仏教ではなく儒教のマナー

である。この葬儀儀礼を抜きに儒教は

存在しえない。すなわち儒教は死と深く

結びついた宗教である。

 

 

◇儒教における死

・この世を楽しいところと考える中国人

仏教が「生きていること自体が苦しみ

である」と仏教のみならずインド諸宗教

が共通してこの世の苦しみ(無常)から

救済を求めたのは、南アジア、中近東

の苛烈な気候に由来するところもある。

一方、温暖な東北アジアの中国、朝鮮、

日本ははるかに住みやすい上に多神教

でもある。

 

その代表である中国人は五感の快楽を

正しいと考え、生きている人間の喜び

であるとするのである。

 

・中国人が五感の快楽を認める理由

表意文字である漢字にあるように

まず物があり、それに似せた絵画的

表現として漢字の字形が生まれる。

「はじめにことば(神)ありき」

ではなく「はじめに物ありき」だ。

物事に即して、事実を追って考える

という現実的発想にある。現実的で

あり即物的である根本的理由がここ

にある。

 

少しでも長く生きたいというかれら

にとって「死」は何にも増して恐怖

だ。

 

・「儒」という思想集団

死に怯える中国人に死は恐怖では

ないと説明することに成功した集団が

「儒」である。「儒」は死者の魂を

呼び戻す招魂儀礼をおこなうことで

死者を現世に再生できると考えた。

そして、この再生理論を説くことで

中国人の死の恐怖を解決した。

 

・招魂儀礼から「孝」の理論へ

上記の招魂儀礼は、祖先崇拝、祖霊信仰

を核として、祖先を祭祀する。祭祀を

続けるには主催者となる子孫を生み続け

ることが欠かせない。そこで「儒」は

①祖先の祭祀 

②父母への敬愛

③子孫を生むこと

以上三つの行為をひとつにして「孝」

という独自の理論を作った。

 

・「孝」の本質は生命論

「孝」を行うことによって自己の生命

は祖先の生命であり、また逆に子孫の

生命でもあるというひとつの転換が

起こる。すなわち「孝」の本質は、

永遠の生命を認めようという生命論

である。

 

 

◇儒教の宗教性

宗教とは「死ならびに死後の説明者で

あると定義」できる。中国の場合、漢民族

の考え方や特性に最も適した、死ならびに

死後の説明に成功したのが「儒教」で

あった。そのために儒教は支持され、

国民宗教としての地位を得た。

 

「孝」の概念の背景などは、日常生活

の中に根付いている気がします。これら

の背景を知っていると、物事の見え方

が変わってくるかもしれません。

 

私にマッサージをしてくれる王さんは

広東省出身です。彼は私の子供たちが

結婚することをとても熱心に心配して

くれます。このような「儒教」や「孝」

の背景があるのかもしれません。

 

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9月に入り、台風の季節になり、不安定な

お天気にもなりがちです。昨日も黒い雲

に覆われ強烈な雨が降りました。

 

日頃からデジタル本のダウンロードありが

とうございます。お読みになった感想を

アマゾンにコメントいただけると参考になり

張り合いでます。よろしくお願いします。

 

 

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