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2020/08/23

沈黙の春

私の夏の課題図書のひとつに

「沈黙の春」があります。

レイチェル・カーソンという女性の

著作で、日本では1974年に新潮社より

発行されました。

 

ロングセラーの環境に関する名著です。

 

原作は1962年に書かれ、レイチェルさん

は1964年には亡くなっています。1907年

生まれで、1940年に米国内務省魚類・野生

生物局に勤務し、52年に退職するまで

野生生物とその保護に関する情報収集に

あたりました。

 

かなり早い時代に多くの人に影響を与えた

著作として一読に値するものと思います。

 

その影響がよくわからないうちに化学薬品

が自然を破壊していく事例をたくさん紹介

していますが、自然界への影響調査の難し

さもあたらめて痛感し、人間の経済活動と

の対比からみても今日においても続いている

愕然とする内容です。

 

◇自然は、沈黙した

「自然は、沈黙した、薄気味悪い、鳥たち

は、どこへ行ってしまったのか。みんな

不思議に思い、不吉な予感におびえた。

 裏庭の餌箱は、からっぽだった。

ああ鳥がいた、と思っても、死にかけて

いた。ぷるぷるとからだをふるわせ、

飛ぶこともできなかった。

 春が来たが、沈黙の春だった。いつも

だったら、コマツグミ、ネコマネドリ、

ハト、カケス、ミソサザイの鳴き声で

春の夜は明ける。そのほかいろんな鳥の

鳴き声がひびきわたる。だが、いまはもう

音一つしない。野原、森、沼地 ーー

みな黙りこくっている。」

 

自然を破壊しあらゆる生命を蝕む化学薬品

の恐ろしさをペンシルベニア生まれの筆者

が告発する。

 

地上に生命が誕生して以来、生命と環境は

互いに力を及ぼしあい、何千年という時を

かけて、生命と環境の均衡をつくりあげ

てきた。だが、人間は二十世紀というわずか

の間に恐るべき力を手に入れ、自然を変えよ

うとしている。

 

人間が作り出した科学薬品は、農園や森林

などの様々な場所で使われている。それは

特定の雑草や虫を退治するためのものだが、

結局、生命のあらゆるものすべての環境

を破壊する。

 

人間は自然を単純化することに注力し、自然

が様々な種類の生物の間に作り出してきた

均衡を破壊してしまった。例えば広大な

農地に一種類だけの作物を植える、いわゆる

「単一農作物栽培」ようになると、ある種

の昆虫が大発生した。

 

水の汚染は、環境全体の汚染と切り離して

考えることはできない。原子炉、病院など

からは放射性のある廃棄物が、都市からは

下水が、工場からは化学薬品の廃棄物が

海へと流れ込む。これらは互いに作用しあい

姿を変え、毒性を増す。

 

土壌の世界は、様々な生物が織りなす糸に

よって、互いに依存している。生物は土壌

がなければ育たず、土は生物が栄えてこそ

生きたものになる。だが、この世界に化学薬品

が押し寄せたら、個体数の均衡が壊れる恐れ

がある。土壌の新陳代謝の活動も変化し、

もはや実り豊かな土とはならない。

 

二十世紀になって、人間は無数の化学的発癌

物質を生み出した。こうした化学物質をすべて

取り除くのは非現実的なことと思われる。

だが、その多くは人々の生活に不可欠のもの

とは限らない。それらを取り除けば、癌の

脅威も大幅に弱まる。

 

 

日本で公害を強く意識し始めたのは昭和

四十年代、その後も様々な問題が起きて、

都度対策が打たれてきました。日本で

本書が発行される時期にも符合しています。

 

化学物質特に化学薬品がもたらす効果は

日常生活に必要なものとなっています。

しかし、その影響の範囲を当初予想する

ことは極めて、難しいものだと思います。

 

一方でレイチェルさんのような主張、行動

をすると、企業、業界の利益、そのロビー

活動から、かなりの圧力もかけられてきた

でしょう。1960年代からすでに60年経って

も本書がロングセラーを続けているのも

その解決がいかに難しいかを示している

ものといえるでしょう。

 

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