« 巣籠り生活 総決算 | トップページ | 幸せのかたち »

2020/06/05

外国人にささる日本史のツボ

日本を外国人に紹介する機会は少ないかも

しれませんが、必要な時には戸惑うもの

です。

 

外務官僚もつとめた山中俊之氏が分かりや

すくまとめています。

「外国人にささる日本史12のツボ」

(朝日新聞出版)

 

海外の人たちに「ささる」テーマのひとつは

「歴史や文化」である点は合点がいきます。

ちょっと長くなりますが12ポイント

紹介しします。

 

◆深く自然を崇拝する心

1)自然への崇拝と畏れ

日本には古代から自然崇拝、八百万の神の

信仰、山岳信仰があった。木や森、木々にす

ら神が宿っていると考えるのが日本人の

宗教観である。

 

森羅万象に神が宿るという考え方はユダヤ教、

キリスト教などの一神教文化にはない。ユダ

ヤ教以降の一神教においては、自然は人間に

よって支配されるものとされる。

 

このような概念は日本人の宗教観からは生ま

れてこない。

 

2)神道は宗教ではない?

神道はいくつかの点で宗教の特徴を備えて

いない。例えば、開祖と聖典がなく死後に

ついて論じていない。神道はこうした常識

を満たしていない。そのため海外の人たち

からみると宗教ではないという意見がある。

 

3)複数の宗教の併存

神道は仏教の伝来によって徐々に仏教と

習合(神仏習合)していく。多くの神々を

信仰していた当時の日本人は一神教とは

ほど遠い宗教観を持っていた。

 

他国では自国に根付いた宗教と異なる外来

のものが入ってくると排斥などの対立関係

になることが多かった。だが、日本では

日本人の創意で神道と仏教の考え方が

一人の個人の中にすら共生してゆく。

 

◆無駄を省く禅の思想

4)世界のセレブが関心を寄せる座禅

なぜ、禅が人気を得ているか?

徹底的に無駄を省くことで本質に迫るから

だろう。余計なものをなくして本質に向き

合おうとする禅のあり方は、文化を問わず

多くの人が納得できるようだ。

スチーブン・ジョブスも学んでいた。

「シンプルであることは、複雑であること

より難しい」という言葉を残した。

 

5)禅宗の基礎を築いた栄西

栄西が開いた臨済宗が日本における最初の

礎となる。栄西は天台宗の総本山で学ぶ

僧だった。当時の延暦寺は貴族との勢力争い

に巻き込まれ、本来の姿を失っていた。

 

1168年栄西は南宋に渡り、禅宗に出会う。

「悟りを開らくための修行としての禅宗

こそ、仏教を立て直す道」と信じて日本に

持ち帰った。

 

6)茶道は身分も肩書も超える

禅の考えが芸道として昇華されたものが

茶道である。茶道の中で特に重要なのは、

肩書に捉われずに相手を尊重することだ。

茶室に入る時に躙り口という小さな入口

を通り、どんなに高位な人でも頭を下げ

る。

 

茶室では主人が身分を超えて客をもてな

す。大名クラスが格下の武士や町人に

お茶をたてることもあった。欧米や中国

では考えられないことだ。

 

◆世界最古のロイヤルファミリ

7)世界から注目される日本の天皇

二百年ぶりに天皇が生前退位された

ニューズは大きく海外で取り上げられた。

日本の皇室は長きにわたって継続され

ていること、天皇制を廃止しようとする

政治的抗争が太古の昔は別とすると日本

の歴史でほぼないことが特別なものと

して映るようだ。

 

8)世界最長1500年

6世紀の初め第26代の継体天皇以降現在

の天皇に至るまで同一の家系として血縁

関係が続いている点において世界で稀な

存在と言ってよい。現在の英国王室でも

約300年である。

 

◆世界の美意識を変えた葛飾北斎

9)世界語となった「Ukiyo-e」

世界に誇れる浮世絵だ。浮世絵の創設者

といえるのは17世紀の菱川師宣だ。有名

な「見返り美人」は女性の仕草や表情を

見事に描き出している。

 

江戸時代の後期に最盛期を迎えた町人文化

化政文化の時代のジャポニズムを代表する

画家は葛飾北斎だ。LIFE誌が1998年に

発表した「この1000年で最も偉大な業績

を残した100人」に日本人として唯一

選ばれたのが北斎だ。

 

10)パリ万国博でのジャポニズムの衝撃

西洋では15世紀以来400年以上にわたって

リアリズム、遠近法、明暗法が前提とされ

てきた。1867年パリ万国博覧会で、関係者

は驚愕の声を上げた。浮世絵は実際に見え

たものと違った形や色を使い、遠近法や

明暗法は原則採用しない。この手法は

衝撃だった。世界で評価されるのは日本

が生み出した独自性だった。

 

◆ユニークに進化した日本の古典芸能

能や歌舞伎は海外の人々に知られていない。

シェイクスピア劇など男性のみが出演する

演劇は存在していたが、男性が女性を演じ

ことは極めて稀だ。

 

11)観客との双方向のやり取りを重視する

歌舞伎の発祥は江戸時代初期の出雲の阿国

と呼ばれる女性が始めた「かぶき踊り」に

さかのぼる。元禄時代になって本格的

に発展する。市川宗家の屋号は「成田屋」

だ。絶妙のタイミングで役者に呼びかける

歌舞伎の楽しみひとつ、手ぬぐいを投げた

りする双方向のコミュニケーションは日本

の演劇の特徴だ。

 

12)珍しいテーマ

第一に派手さが前面に出ていること。

わび・さびなどの控えめな日本のイメージ

と異なり衣装、化粧、演技すべてが派手だ。

 

第二に「我慢」「敗者の美」「生まれ変わり」

といったテーマが欧米はじめ海外にはあまり

存在しない価値観で好奇心を持たれる。

「生まれ変わり」でいうと、キリスト教や

イスラム教では、死ぬと生前の行いに対して

「最後の審判」が下される。「生まれ変わっ

て来世で結婚しよう」などというセリフは

海外では理解が難しく、とても珍しい。

 

ツボは心得ておくと役立ちそうですね。

英語はともかく、日本の紹介のポイント

は押さえておく価値はあると思います。

Dsc_1334

 

(道端で見かけた素朴なガクアジサイ

 季節は梅雨へと確実に向かっている)

 

|

« 巣籠り生活 総決算 | トップページ | 幸せのかたち »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 巣籠り生活 総決算 | トップページ | 幸せのかたち »