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2020/03/28

「欲望を見つめなおしたい」

新型コロナウィルスの影響で土日が

外出自粛になりました。家で過ごして

いる人が多いことでしょう。

 

産経新聞の3月27日朝刊「モンテーニュ

との対話」という記事がシリーズ(隔週)

で掲載されています。

欲望をテーマにしたこの記事は示唆に

富んでいます。

 

対象の図書は以下です。

「ある一生」(新潮社)ローベルト・

ゼーターラー(オーストリア)

2014年に刊行されドイツ語圏中心に

80万部売れたそうです。

 

評者ドイツ文学者の池内紀(おさむ)氏

「あらゆる欲望装置のそろった現代

にあって、すべて他人との比較でなり

たつ社会にあって、このような孤独者

の物語が成立するとは!」

 

モンテーニュも「我々の欲望は、その

手元にあるものには眼もくれず、それ

を飛び越えて自分が持たないものを

追いかける」(第二巻第15章)

 

欲望は文明創造や世界を豊かにする

経済活動のエンジンであることは

まぎれもない事実ですが、欲望との

付き合い方は人類にとってはるか昔

からの難問でした。

 

「欲望に生きる者は、必ず欲望に裏切

られ、下手をすると破滅する」という

のもまたよく言われます。

 

「ある一生」とは、

私生児として生まれた主人公エッガー

は母を亡くしたため4才の1902年

アルプスの農場に引き取られる。

 

冷酷な養い親に酷使され、鞭で打たれ

ながら毎日を過ごし、ある時に鞭で

足を骨折しながらも懸命に生き抜き

成長して家を出て、自活する。

 

スキー場開発のさなかロープウェイ

会社に雇われ、食堂で働く女と結婚

したものの、雪崩で妻ごと自宅が

のみこまれてしまう。

 

やがて、ヒトラーの戦争に巻き込まれ

ソ連に捕虜として送られ、8年を過ごす。

 

帰郷した後はあらゆる半端仕事を請け

負って暮らし、やがて山岳ガイドとし

て生計を立てる。

 

79才になったエッガーは、おおむね

満足のいく人生だったと感じながら

自宅の小屋で息を引き取る。

 

産経新聞文化部の桑原聡さんはこの本

を読んだ後、「言いようのない充足感

に包まれ、気がつけば心は凪いでいた」

といいます。

 

◆誰にも奪えぬそれぞれの瞬間

<エッガーが生涯心に留めていた言葉>

「人の時間は買える。人の日々を盗む

ことはできるし、一生を奪うことだって

できる。でもな、それぞれの瞬間だけ

は、ひとつたりとも奪うことはできない。

そういうことだ。さあ、とっと出ていっ

てくれ!」

 

どんな人生であろうと、自分が主人公

の美しい瞬間や歓喜の瞬間は数え切れぬ

ほどあるはずだ。その瞬間を味わうこと

ができたなら、エッガーのように人生を

振り返ることができるだろう。

 

それができないのは、欲望に起因する

際限のない不満足感と将来への不安に

さいなまれ、それを解消するために

「いま」という貴重な時間を消費して

いるからだろう。

 

欲望を自粛が求められるコロナ渦を、

自身の欲望を見つめなおし洗いなおす

機会にできるといいのだが。

 

桑原記者は、今、週末を庭仕事と読書

音楽鑑賞で過ごしているそうです。

オーストリアの重厚な交響楽の作曲家

アントン・ブルックナーの4番から9番

を聴きながら紹介した記事を執筆して

います。

 

いいですね~♬

 

私もちょっとあやかって猫の額庭いじり

とブルックナーの4番を聴いてブログを

書いています。実はこの重厚な響きの

あるこの交響曲シリーズが大好きな

もので・・・

 

何でも中止の昨今、元氣をなくさない

ように、かつ内省的に過ごすのも悪く

ないか・・・・

 

大事なのは「今」「今」「今」・・・を

どう味わい、生きるかだ

 

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