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2018年5月の投稿

2018/05/27

プラド美術館展

国立西洋美術館で「プラド美術館展」
を開催しています。副題は「ベラスケス
と絵画の栄光」となっています。

東京(5月27日迄)と兵庫で開催されます。
Dsc_2345

https://artexhibition.jp/prado2018/

2008年にプラド美術館に行ったことは
行ったのですが、何しろ駆け足ツアー
でじっくり観ることはありませんでした。

せっかくのプラド美術館展、今回はベラス
ケスが軸なので、ちょっとしっかり観て
みましょう。

「マドリードにあるプラド美術館は、スペ
イン王室の収集品を核に1819年に開設
された、世界屈指の美の殿堂です。

本展は、同美術館の誇りであり、西洋
美術史上最大の画家のひとりである
ディエゴ・ベラスケス(1599-1660年)の
作品7点を軸に、17世紀絵画の傑作など
61点を含む70点をご紹介します」
(美術館のHP)

「17世紀のスペインは、ベラスケスを
はじめリベーラ、スルバランやムリーリョ
などの大画家を輩出しました。

彼らの芸術をはぐくんだ重要な一因に、
歴代スペイン国王がみな絵画を愛好し
収集したことが挙げられます。

国王フェリペ4世の庇護を受け、王室コレ
クションのティツィアーノやルーベンスの
傑作群から触発を受けて大成した宮廷
画家ベラスケスは、スペインにおいて
絵画芸術が到達し得た究極の栄光を
具現した存在でした。

本展はそのフェリペ4世の宮廷を中心に、
17世紀スペインの国際的なアートシーン
を再現し、幅広いプラド美術館のコレク
ションの魅力をたっぷりとご覧いただき
ます」(HPより)

ベラスケスをもう少し詳しく見てみまし
ょう。

「ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・
ベラスケス 1599年6月6日(洗礼日) -
1660年8月6日)はバロック期のスペ
インの画家。

マネが「画家の中の画家」と呼んだベラ
スケスは、スペイン絵画の黄金時代で
あった17世紀を代表する巨匠である。

スペイン黄金時代美術の代表的な存在
として今日まで高い評価がなされてい
ベラスケスの作品では、画面に近づい
て見ると、素早い筆の運びで荒々しく描
かれたタッチにしか見えないものが、少し
離れたところから眺めると、写実的な
衣服のひだに見える。

このような、近代の印象派にも通じる
油彩画の卓越した技法が、マネらの
近代の画家がベラスケスを高く評価した
ゆえんである。

国王フェリペ4世の肖像画を描き、国王
に気に入られてフェリペ4世付きの宮廷
画家となり、以後30数年、国王や王女を
はじめ、宮廷の人々の肖像画、王宮や
離宮を飾るための絵画を描いた。

美術愛好家であったフェリペ4世は、ベラ
スケスを厚遇し、画家のアトリエにもしば
しば出入りしていたという。当時、画家と
いう職業には「職人」としての地位しか認
められなかったが、フェリペ4世は晩年の
ベラスケスに宮廷装飾の責任者を命じ、
貴族、王の側近としての地位を与えて
いた。
(ウィキより)

少々引用が長くなりました。
17世紀のスペインは16世紀の黄金時代
を経て文化的にも爛熟期に入っていたと
思われます。一国の富があり、パトロンと
しての後ろ盾とその信頼関係が芸術を
高めさせるのは世の東西を問いません。

また、絵の見どころを予め知っておくと楽し
みが倍増します。今回ベラスケスを調べた
ことで、西洋絵画の面白みが増しました。

今回七点のうちで今回お気に入りは
ふたつ。美術館を鑑賞するときは画商に
なった気分で「自分だったらどの作品を
選ぶか?」という視点でいると面白い
です。

「狩猟服姿のフェリペ四世」
装飾のきらびやかさがなく、王の抑制的な
内面を描き出している。

「マルス」
戦と農耕の神マルスという題で、疲れ切
った王を描くことで、戦の無益さを描き出
しているとも言われている。

美術館のHPからご覧ください。

もうひとつの見どころは「国立西洋美術館」
そのもの。ル・コルビジェが設計し、優美な
外観と室内。


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美術館は建物も美の鑑賞であることを
感じさせます。

兵庫県立美術館は6月13日からです。

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2018/05/21

講演会に出て思う

退職後は接する情報が減ってしまいます。
それではいかんと、先日ある講演会に行っ
てみました。

竹中平蔵慶応大学名誉教授の講演でした。
「第四次産業革命」に関するお話です。

政府の様々な諮問委員会等国の政策に
深く関わっています。安倍内閣は長期政権
になってきました。経済、株価や失業率の
減少等評価できる点もかなりある。

しかし、まだレガシー(遺産)として後世に
残していく結果が出ていないと言います。

例えば、財政改革、地方分権、エネルギー
・水の分野。

第四次産業革命のキーワードとして以下
5つ挙げられる。

①ビッグデータ
②AI(人工知能)
③IOT(Internet of things)
④ロボット
⑤シェアリング・エコノミー

インターネットが1988年商用として提供さ
れてから89年東西冷戦終結のころから
日本にも入ってきた。2000年政府にIT
戦略会議ができ、2011年にはドイツで
インダストリー4.0が発表されたが、日本
では不幸にも東日本大震災が起き、
対応が遅れてしまったが、ビッグデータも
この頃から注目され始めた。

これから日本が頑張っていくためには、
以下3つのキーワードが大切になってくる。

①ビッグデータ活用
 ダヴォス会議でメルケル首相はこれから
 はビッグデータの戦いになる。中国は
 国家ぐるみで戦おうとしている。

 日本でも政府にビッグデータの司令塔
 的組織を作ることができた。

②SandBox(砂場)
 規制緩和をしたゾーン(SandBox)を作り
 例えば自動走行を実験できる環境を
 整備する等の施策を早く作る。

 ある日本の銀行とベンダーでフィンテック
 の実証実験をシンガポールでやらざるを
 得なかったことがある。もう世界ではこの
 SandBoxを実証している国は18もある。

 日本においても法律がやっとひとつ通っ
 た。スピードを上げないと競争力がどん
 どん落ちていく。

③リカレント教育(学び直し)
 「義務教育または基礎教育の修了後、
 生涯にわたって教育と他の諸活動(労働、
 余暇など)を交互に行なう教育システム」

 新しいテクノロジーで世の中のスピードが
 早い今日、学び直しのチャンスはとても
 重要。

要約すると以上のような内容でした。
分かりやすく事例や数字を織り込んだ講演
としてはお手本のようなものでした。話
の仕方の勉強にもなりました。

最近のマスメディアの報道がある一点
(例えば政治家・官僚の不祥事)に極端に
集中する傾向のある点(もちろん追及し正し
ていくことはマスメディアとしての重要な使命
ですが)、に疑問を抱く私としては、
「日本の国益」を考慮した報道という切り口
もあっていいと感じています。

もちろん権力に迎合して民意を戦争の助長
に向けてしまった20世紀前半までの反省
から、権力の暴走を許さない姿勢というの
は大事だと思います。が、一方で日本の国力
や競争力という観点で積極的で的確な報道を
するメディアがもっとあってもいいかなと聞き
ながら考えてしまいました。

日ごろの情報インプットが減ってしまう
定年後は意図的に情報を聞きに行く姿勢
が大事ですし、投資などを通じて、国際情勢
などに敏感になって外の情勢に関心を
持つことが大切だと思う今日この頃です。


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(マホロバマインズ三浦(三浦海岸)から
 房総半島方面を望む 海・空が美しい)

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2018/05/12

東山散歩

NHKのブラタモリは興味深い番組の
ひとつです。アシスタントが近江アナ
から林田アナに変わり、京都の東山
から始まりました。場所を地学、地質
の観点から明かしていくユニークな点
も好きです。

触発され、東山を歩いてみることに
しました。京都駅から京都市バス206
系統に乗り、清水寺道で降り、茶わん坂
からスタートします。

Dsc_2299

今回は東山を北に上がり、慈照寺銀閣
まで決められた時間内で歩くので、清水
寺は省略しました。

次に二寧坂(二年坂)を下っていきます。

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着物を着た外国人も多く、楽しそうに歩い
ています。

寧々で有名な高台寺を横に見ながら、
雨上がりの道をゆっくりと楽しみます。
円山公園の近くをわき道に入ると西行
庵という西行終焉の庵がありました。

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これも儲けものの発見でした。

「願わくは花の下にて春死なむ
   その如月の望月の頃」(西行)

毎年三月にはここで茶会が開かれる
そうです。

さらに八坂神社を抜け、知恩院に着き
ました。

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知恩院は浄土宗開祖法然上人が入寂
された由緒ある壮大なお寺です。渡辺家
のお寺が浄土宗でもあり、総本山へ行っ
たことになります。ありがたや。

ちょうど法要が営まれていて南無阿弥陀仏
と「専修念仏」(せんじゅうねんぶつ)という
考え方で、身分・能力を問わず、一心に
念仏を称えると極楽浄土に往生できると
いう法然上人の教えです。

方丈庭園を散策しました。
ちなみに私の部屋は「方丈庵」と名付け
ています。

Dsc_2308

新緑美しく、雨上がりの静寂な雰囲気に
「我思う」の心境になりました。

さらに進み、青蓮院、南禅寺、永観堂を
過ぎ、「哲学の道」を歩きました。

Dsc_2313

平日だったこともあり、人が少なく、期待
以上の味わいがありました。ここは
琵琶湖から引いた疎水が北へ向かって
流れています。なぜか散策者がほとんど
西欧人だったのが銀閣寺のアジア人の多さ
と対照的でした。

そして、慈照寺銀閣にたどり着きました。
先日きぬかけの道で鹿苑寺金閣に行きま
したが、対照的な趣があります。

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足利義光がその生涯をかけて造営し、
美意識を極限まで高め、日本人の
その後の感性に大きく影響を及ぼした
ことを感じるものです。

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さらに展望所から見る京都市街の方向
には、吉田山(標高105m)があり、市街地
が見えぬようになっています。このことも
義光がこの世の憂いを見ないで済むよう
に考えていたなどとブラタモリでは説明を
していました。

いろいろと歴史に思いを馳せながら散歩
する楽しみはこのあたりにもあります。

清水寺から6キロ弱の散歩コースでした。
3時間程度の持ち時間でしたのでに応じ
て調整しながら楽しみました。

京都は奥深い・・・テーマが尽きません・・・

この季節(5月上旬)は修学旅行の時期
で、タクシー運転手が4人の生徒さんを
連れてガイドも兼ねて案内している風景
をあちこちでみました。時代は変わった・・・
蛇足でした。

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2018/05/07

「深く考える力」

ゴールデンウィークも終わり、日常に戻る
ことになりました。日ごろ忙しいビジネス
パースンにとっては、まとまった時間が
とれる貴重な機会なので、混雑やお値段
お高めでも、もろともしないで、お出かけ
の方も多いことでしょう。

定年後の半自由人の私は、何をやろうか
計画をしました。いつもは課題図書で時間
を使うこともありますが、今回は執筆に費
やすことにしました。

そのために机に向かい、時間を取るので
すが、なかなかノリが出てきません。空気
は澄み、爽やかな日差しを見つめながら、
何気なく本を見渡していると、田坂広志氏
の書いた「深く考える力」(PHP新書)が
目に入りました。

調子が出ない時はブログも同じです。
解決のためのその正体は田坂氏に
言わせると「賢明なもう一人の自分」かも
しれません。共鳴したところを以下ご紹介
していきます。

「深く考える」とは心の奥にいる「賢明な
もう一人の自分」と対話すること。私たち
の考えを深めてくれるもう一人の自分の
声に耳を傾け、その叡智を引き出すため
の技法を説く。


賢明なもう一人の自分は「鋭い観察力」
「膨大な記憶力」を持つ。にもかかわらず
多くの人は「自分に直観力がない」「記憶
力が悪い」と無意識に自己限定し、能力
の発揮を妨げている。

もう一人の自分が叡智を発揮するには
以下の五つの技法が有効だ。

・考えを「文章」にして表す
 自分の考えを文章にする。後で読み返
 すと心の奥深くからもう一人の自分が
 現れ、違う視点からみるというこたちで
 考えを深めてくれる。

・異質のアイディアを結びつける
 「無用の用」などのように、対極の言葉
 を結びつける。この言葉が刺激となり
 触媒となって、もう一人の自分が深い
 思索を始める。

・自分に問いを投げかける
 ある問いが心に浮かんだら、それを
 自問自答してみる。もう一人の自分
 はこの問いに刺激を受け、動きだし
 答えを教えてくれる。

・問いを一度忘れる
 直観力は答えを求める気持ちが強す
 ぎると働かない。したがって一度問い
 を忘れる。

・自分を追い詰める
 退路を断ち、あえて自らを追い詰める。
 その緊張感の中で、優れた直感が
 閃くことがある。

深く考える力を鍛えるには、文章を読む
ことも欠かせない。文章を読む技法には
二つある。

・エッセイを「推理小説」のように読み進
 めていく。論文のように結論が予想され
 るものより思索的なエッセイ、随筆、随想
 の類が触発されやすい。
・「自分だけの格言集」を作るつもりで本
 を読み進む

定年後の時間を文章を書くことで、世の中
に情報発信したいと考える私にとって、
とても共感し、腑に落ちる田坂さんのお言
葉です。

「自分だけの格言集」に関しては55才の
記念に作った「55才の五十五か条」が
今でもとても役にたっていることからも
頷けます。

しかし、物書きをやっていこうという私たち、
ともするとノリが出ないことで無力感に
苛まれることがあります。「賢明なもう一人
の自分」を意識していくことに目から
ウロコの気持ちになりました。

伝教大師最澄の言葉に「一隅を照らす、
これ即ち、国の宝なり」があり、田坂さんは
さらに「そして、ときに、その一隅を照らす
光が、世界を照らす光となる」を付け加え
ています。「インターネット時代地球の片隅
で起こった出来事が、瞬時に世界中の
人々に伝わる時代に、この地球の片隅で
志と使命感を持って生きる素晴らしい姿
が時に世界中の人々に深い共感を生み
出す時代でもある」と。

これらの言葉が大いに希望、力を与えて
くれるものです。いい本に出会いました。

ちなみに執筆中という本はこのブログに
関連するもので、Kindleのデジタル出版
を近日中に目指しています。

乞う ご期待。


Dsc_2298

(近所の生垣の薔薇 なかなかいけて
 ます)

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