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2018/01/09

ギリシャ人の物語Ⅲ

わが塩野七生女史が自身最後の歴史エッセイ
「ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力」(新潮社)
を心を込めて読み終えました。お正月の課題
図書です。

アレクサンダー大王のことが中心に書かれて
います。

「なぜ、彼だけが後の人々から、「大王」と呼
ばれるようになったのか。なぜ、キリスト教の
聖人でもないのに、今でもキリスト教徒の親は
子に、アレキサンドロス(英語ならばアレクサ
ンダー、イタリア語ならばアレッサンドロ、
略称ならばアレックス)という名をつける人
が絶えないのか。その理由はただ単に、広大
な地域の征服者であったからか。

それとも、他にも、愛する息子にこの名を与え
るに充分な、理由があるのか。なぜアレクサ
ンドロスは、二千三百年が」過ぎた今でも、
こうも人から愛され続けているのか。(本文
より)」

帯より引用しましたが、まさにズバリの表現
です。

私は塩野女史の著作の七割方を読んできま
した。その魅力は「歴史エッセイ」ということ
かもしれません。

最後の著作を終えた塩野さんはこう述べて
います。
「調べて、考えて、そして歴史の再構築」が
歴史エッセイであり、歴史研究書でも歴史
小説でもないと・・・ そして、地中海が歴史の
中心であった歴史は書き終えた自信がある
と・・・

一年間集中力を持続することは少々疲れた
せいもあるが、「いい男」はみな書いてしまっ
た・・・

年取った男を書くと書評家はみなほめてくれ
るが、そんな枯淡の域に落ち着いてたまる
か・・・

ということで、一番若い男を題材にした。対戦
相手としては悪くなかった・・・」

何とすばらしいコメントだろうか・・・
私も15世紀くらいから世界を席巻した西欧
文明とはどこから来ているのか?という疑問
から塩野さんの本に出合いました。

歴史順に挙げますと、
「ギリシャ人の物語」(全3巻)
「ローマ人の物語」(全15巻)
「海の都の物語ヴェネチア共和国の一千年」
 (全2巻)
「ローマ亡き後の地中海世界」(全2巻)
「わが友マキアヴェッリ」
「十字軍物語」(全4巻)
「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」(全2巻)

これで大作は終了ということで寂しくは
ありますが、ここまでの情熱はもちろん、
調査力、集中力、継続性すべてにおいて
心より尊敬するものです。

塩野さんが特に愛した男たちは、カエサル、
アレクサンドロス、ハンニバル、マキアヴェ
ッリ・・・・一番はカエサルかもしれませんが、
アレクサンドロスもいい線いっていると感じ
ます。


Dsc_2209


(お正月の京都 二条城 こちらは大政
奉還150周年で、いろいろなイベントが
あります。歴史の節目で振り返り、思いを
馳せることも楽しい。徳川慶喜も重要な
役割を果たしたが、塩野さんのお好みでは
なさそうだ・・・)

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