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2018年1月の投稿

2018/01/28

香港ご当地ミステリー

昨年末香港ツアーを反芻するように香港
を舞台としたミステリーを見つけました。

旅行した後、ご当地を再び味わい、理解
を深めることはとても思い出を楽しく定着
させることができます。

陳浩基の「13・67」(文芸春秋社)です。
2013年、2003年、1997年、1989年、1977年、
1967年と香港にとって節目となる6つの年
に6つストーリーと時間をつなぎ、ひとりの
警察官の人生と香港という都市のおよそ
半世紀の変化を描き切った、まさに香港史
に残る傑作小説です。

2013年 雨傘革命の前年 第三代行政
      長官選挙の翌年
2003年 SARSで300人以上が死亡、
     治安条例に反対する50万人デモ
1997年 香港返還の年 アジア通貨危機
1989年 中国返還の決定の後、社会不安
      と移民ブーム 天安門事件
1977年 警察汚職の蔓延
1967年 左派反英暴動 中国文化大革命
      の翌年

香港の歴史は中国本土と比べ最近はその
経済規模の相対的低下は免れませんが、
東アジアの情勢を見ていくうえでの背景
としてしっかり押さえておく意味でも、役立
ちます。

75年生まれの著者からするとその子供
時代の香港警察は、頼もしい市民のヒー
ローだったそうで、警察の正義についての
問いかけが随所にみられます。

「私は警察官として、イギリス女王陛下
と王位継承者に忠誠をつくし、香港の法律
を遵守し、さらに不屈と犠牲、公正の精神
をもって、全力で職務を遂行し、上官の
合法なる命令には絶対に服従することを
ここに誓います。」
(香港警察、誓いの言葉(1980年以前))

クワン・ザンドー刑事が超法規・組織横断
的な活躍で凶悪犯罪に立ち向かう展開は
複雑・緻密ながらスリリングで、アメリカ
人気の刑事ドラマに通じるものがあります。

香港の地名がたくさん出てくることで、街の
様子、食べ物、風俗が描かれてくるだけで
も、ツアーをトレースして楽しむ方法です。

健康長寿で多くの有効な経験を重ねてい
くわけです。

そんな味わいのお勧めの一冊です。

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(舞台としてたくさん出てくる九龍地区の
 ネーザンロードから一筋入った道)

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2018/01/20

スマホ!スマホ!スマホ!

日常生活において、スマホは大変便利で欠か
せないものとなっています。特に情報の確認、
連絡において、インターネットと合わせて絶大
なる利便性の革命をおこしていることは間違
いのないところです。

ところが、外出をして何気なく回りを見渡して
いると「スマホ!スマホ!スマホ!」とあらゆ
るところで人々がスマホを見ています。電車
の中で向かいの7人掛けのシートでは、寝て
いるか本を読んでいる人以外はスマホ。平均
5人以上は見ています。

歩きスマホ、自転車スマホ、中には歩きながら
右手にスマホ左手にたばこでといった器用な
人まで現れる始末。

これらは、日本に限らず、先日香港に行きまし
たが、同様です。依存症の領域へ入っている
気がします。

私は仕事柄かなり早い時期(90年代初)か
ら、アナログ携帯電話の時代から使ってきま
した。しかし、便利な反面掛かってくる案件
は深刻なものが多かったために、結構常に
距離を置く習慣が身についてしまいました。

そんな中で、ちょっと気になる本が出ました。
以下紹介します。

「退屈すれば脳はひらめく」
ー7つのステップでスマホを手放すー
マヌーシュ・ゾモロディ著(NHK出版)

◇人間の脳はその人が何もしていない時や
 目の前 の作業に集中していない時も活動
 している。
 「マインドワンダリング(心がさまよう
 こと)」の状態のとき、ユニークなアイディア
 や問題を 解決する方法を思いつく。つまり、
 ひら めくためには、意識的に退屈する
 必要がある。

◇退屈している人は、そうでない人より独創
  的に考える。心理学者の実験でも実証さ
  れているものでもある。

◇テクノロジーとソーシャルメディアは脳の
  作業記憶や情報処理能力に害を及ぼし、
  ADHD(注意欠陥・多動性障害)によく
  似た状態をもたらす恐れがある。
  脳の前頭前野が影響を受け、実行機能
  を使い、経験している出来事を管理する
  能力が退化する。

◇インターネットの普及後、本の読み方が変
  わった。かつては一つの線に沿うように
  まっすぐ読んでいた。
  だが、画面のスクロールなどのように本を
  読むとき読み飛ばしをするようになった。

◇近年一日に61回以上のアプリを立ち上げ
  る「スマホ中毒」の人が急増している。
  その背景にはアプリ設計者がユーザの
  利用時間を引き延ばす工夫をしてること
  にある。

◇集中して新しいアイディアを考えるには、
  一人の時間が必要である。そのためには
  メールやソーシャルメディアとの接続を断
  ち、静かに過ごす時間を取る必要がある。

いかがですか?私が日ごろ感じていることを
語っていただいています。「いいね!」共感で
す。著者はニューヨーク公共ラジオの番組
「Note to Self」のホストおよび編集ディレク
ターです。

さて、副題の「7つのステップ」とは?

①自分を観察しよう
②移動中はスマホをしまおう
③写真を撮らずに一日を過ごそう
④例のアプリを削除しよう
⑤フェイクケイション(偽休暇)をとろう
⑥いつもとはちがうものを観察しよう
⑦プログラムメニュまとめ

自分との対話やひらめきはスマホを見ていて
はできないようです。

「スマホがご主人様、私はその奴隷」という
ことにならないようにしたいものです。

さてさて、今日は写真のupはやめておこう・・・・・

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2018/01/14

嵯峨野散歩

伏見稲荷への毎年恒例の商賣繁盛祈願の参拝
のついでに、翌日嵯峨野散歩をしてみました。
人の少ない時期・時間帯にゆっくり一人歩きと
いう贅沢な時間の過ごしかた提案です。

嵯峨野(さがの)は、京都市右京区の地名。
太秦・宇多野の西、桂川の北、小倉山の東、
愛宕山麓の南に囲まれた付近に広がる広い地域
のことです。

今回は京都駅8:00発の直通で愛宕(おたぎ)
念仏寺へ行けるバスに乗り、一時間余りで到着
です。

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奈良時代に創建されたお寺ですが、その後
鴨川の洪水で荒れ果て廃寺になり、10世紀に
千観によって再興され、念仏寺といわれるよう
になりました。

戦時中に台風の被害で再び廃寺になってしまい
ます。

昭和30年ごろから復興されましたが、特に昭和
55年から参拝者によって彫られた千二百体の
羅漢さんがとても表情豊かで、訪れた人を和ま
せてくれる「癒しの寺」として有名になりました。


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早朝で静かな(誰もいませんでした)の羅漢
さんたちの中に佇んでいることで、落ち着いた
気持ちになっていきます。

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さらに、嵯峨野の散歩道を15分ほど降りて
いくと化野(あだしの)念仏寺です。こちらは
千二百年前に弘法大師空海が五智山如来寺
を開創され、野ざらしになっていた遺骸を埋葬
したと伝えられています。その後法然上人の
常念仏道場として、浄土宗になっています。


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境内にまつる八千体を数える石仏・石塔は
化野一帯に葬られた人のお墓です。一帯に
散乱埋没していた石仏を明治中期に地元の人
の協力を得て集めたものだそうです。

「あだし(化)」とははかない、むなしいと
の意で、「化」の字は、「生」が化して「死」
となり、この世に再び生まれ化る事や、極楽
浄土に往生する願いなどを意図しています。


この地は古来葬送の地で、初めは風葬であ
ったが、後世土葬となり、人々が石仏を奉り、
永遠の別離を悲しみました。

かの吉田兼好法師は徒然草に以下に記しま
した。

「あだし野の 梅雨消ゆる時なく 鳥部山の
 烟立ちさらでのみ 住み果つる習ならば 
 如何に物の哀れもなからん 世は定めなき
 こそ いみじけれ」

死者の存在を身近に感じ、かつ長い間の人々
の願いを思う空間です。

一方六面体地蔵につながる竹林の道は冬
でも緑をたたえ、より静寂を感じさせるもの
です。観光客も少なく、落ち着いた嵯峨野の
北側の一角、二か所の念仏寺でした。

廃仏毀釈が吹き荒れた明治初期を終え、
民間の人々がお寺再興に努力したことが
分かったことも今回の散歩の成果です。
名もなき人々の思いに触れる場とも
なり、心が温まります。
 
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2018/01/09

ギリシャ人の物語Ⅲ

わが塩野七生女史が自身最後の歴史エッセイ
「ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力」(新潮社)
を心を込めて読み終えました。お正月の課題
図書です。

アレクサンダー大王のことが中心に書かれて
います。

「なぜ、彼だけが後の人々から、「大王」と呼
ばれるようになったのか。なぜ、キリスト教の
聖人でもないのに、今でもキリスト教徒の親は
子に、アレキサンドロス(英語ならばアレクサ
ンダー、イタリア語ならばアレッサンドロ、
略称ならばアレックス)という名をつける人
が絶えないのか。その理由はただ単に、広大
な地域の征服者であったからか。

それとも、他にも、愛する息子にこの名を与え
るに充分な、理由があるのか。なぜアレクサ
ンドロスは、二千三百年が」過ぎた今でも、
こうも人から愛され続けているのか。(本文
より)」

帯より引用しましたが、まさにズバリの表現
です。

私は塩野女史の著作の七割方を読んできま
した。その魅力は「歴史エッセイ」ということ
かもしれません。

最後の著作を終えた塩野さんはこう述べて
います。
「調べて、考えて、そして歴史の再構築」が
歴史エッセイであり、歴史研究書でも歴史
小説でもないと・・・ そして、地中海が歴史の
中心であった歴史は書き終えた自信がある
と・・・

一年間集中力を持続することは少々疲れた
せいもあるが、「いい男」はみな書いてしまっ
た・・・

年取った男を書くと書評家はみなほめてくれ
るが、そんな枯淡の域に落ち着いてたまる
か・・・

ということで、一番若い男を題材にした。対戦
相手としては悪くなかった・・・」

何とすばらしいコメントだろうか・・・
私も15世紀くらいから世界を席巻した西欧
文明とはどこから来ているのか?という疑問
から塩野さんの本に出合いました。

歴史順に挙げますと、
「ギリシャ人の物語」(全3巻)
「ローマ人の物語」(全15巻)
「海の都の物語ヴェネチア共和国の一千年」
 (全2巻)
「ローマ亡き後の地中海世界」(全2巻)
「わが友マキアヴェッリ」
「十字軍物語」(全4巻)
「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」(全2巻)

これで大作は終了ということで寂しくは
ありますが、ここまでの情熱はもちろん、
調査力、集中力、継続性すべてにおいて
心より尊敬するものです。

塩野さんが特に愛した男たちは、カエサル、
アレクサンドロス、ハンニバル、マキアヴェ
ッリ・・・・一番はカエサルかもしれませんが、
アレクサンドロスもいい線いっていると感じ
ます。


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(お正月の京都 二条城 こちらは大政
奉還150周年で、いろいろなイベントが
あります。歴史の節目で振り返り、思いを
馳せることも楽しい。徳川慶喜も重要な
役割を果たしたが、塩野さんのお好みでは
なさそうだ・・・)

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2018/01/01

2018年元旦初日の出

あけましておめでとうございます。今年もよろ
しくお願いします。

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元旦6:53に撮影しました。近所の高台で武蔵
小杉の高層ビル群が見えます。毎朝の散歩
の延長でこの場所に行き撮影しました。理屈
抜きで、初日の出の太陽が目に見えて動き、
上がってきます。初日の出は、何か厳かなも
のを感じてしまいます。

今年の戌年はどうなるのでしょうか?

国際情勢は近年になく緊迫しています。北朝
鮮、中近東等々今年は何があってもおかしく
ありません。

経済状況は大変よく、地政学リスクを別にする
と、弱気の要素が少ないかもしれません。

こんな中の平成30年、平成の元号は31年で
終わりが見えました。こんなことも過去にはなか
ったと思います。戦後70年超、55年体制から
60年超、バブル崩壊からほぼ30年、97年の
アジア・金融危機から20年、リーマンショックから
約10年、第二次安倍内閣で5年、東アジアに
大きな変化が起きようとする今、ひとつの
「大きな区切り」。

今年は明治150年、今までの延長ではなく、
リセットがいつ起こっても不思議ではありま
せん。

しかし、足元の経済上はバブルとは違う意味
でよくなっている・・・とりあえずオリンピックまで
は良さそうだという局面。

新たな変化の「始まり」ないしは潜伏期間、
否、助走期間のような予感もする今日この頃
です。

悲観でも楽観でもなく、粛々と冷静に、過去から
現在へと続く「俯瞰」としてみていくことがより
重要となる時期なのでしょう。

そんなことを感じながら、日の出を零度近い
凍った空気を吸いながら今年は始まりました。

己のこと、世の中の事、しっかり見つめながら
「健康長寿」で生きていきましょう・・・

見届けるには、しっかり長生きしなきゃ・・・・・
(えっ?やめたほうがいい! いやいや
 そんな・・・)

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