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2014年10月の投稿

2014/10/26

経営者が陥る5つの罠

日経ビジネス誌には興味深いシリーズがあります。
「失敗は成功の母。だが、経営では反省材料にせず
同じことを繰返してしまう。「敗軍の将、兵を語る」の
過去記事から分類すると、原因を5つに大別できる。
なぜ失敗を繰り返すのか。これまでの典型的な事例
を見ながら検証する。」からポイントを紹介します。
私はこのシリーズが好きでいつも読んでいます。
個人の戒めにもあります。

①暴走
大王製紙の事件は井川親子。高雄氏は倒産の
危機にあった大王製紙を立て直し、息子の意高氏
は「エリエール」を育てた功労者。「井川親子に絶対
的に服従する企業風土が背景にある」と特別調査
委員会は結論付けた。106億円をカジノで散在させ
たあと、高雄氏と告発した社長が争いを続けている。
そごうの水島廣雄氏も同様94年に社長の座を譲っ
た後も周囲は水島氏を崇めて無謀な拡大路線を
続けた。実績のある人物の言うことに盲従しがちな
例は枚挙いとまない。

②執着
エルピーダメモリ。2012年に会社更生法適用。
同社を買収したマイクロン・テクノロジーは世界
第二位の会社になっている。ひとつの事に執着
し過ぎると変化に対応できず、結果として判断を
誤る。一つ目、DRAM専業メーカーとしてこだわり
過ぎパソコン需要の減少と共に苦境に。二つめ、
メーンバンクを持とうとせず、取引ごとに銀行を
変えていたため、いざというときに支えてもらえる
銀行が現れなかった。3つめは坂本幸雄氏が営業
や資金調達主要な業務を坂本氏ひとりで担おうと
したこと。

③隠蔽
オリンパスの3人の社長が15年間にわたって損失
を「飛ばし」で隠蔽し続けた。JR北海道のレール
異常の隠蔽。前者は社員が経営陣の不正を告発
する内部通報制度が機能せず、後者は経営陣が
現場のチェックできる機能が働いていなかった。
隠蔽は必ず辻褄が合わなくなる。

④忘却
物忘れの早い企業は事件・事故の再発防止を
誓っても、時の経過とともに記憶が薄れ、同じ過ち
を繰返す。4年前浦和レッズのサポータが外国人へ
の差別発言で制裁を受けた。今年3月「JAPANESE
ONLY」という横断幕で史上初の無観客試合という
ことになった。一般に事故や事件を起こした企業は
その記憶が風化しないよう事故の現場を展示したり
記念碑を建てたりする。しかし浦和レッズは経営陣
が記憶を呼び起こしたくないとの移行があり、消極
的な姿勢が目に付いた。

⑤慢心
カネボウ化粧品の白斑問題。クレームに対し「商品
に原因があるわけでなく、消費者それぞれの体質
の問題だろう」と考え、被害を拡大させた。アグリ
フーズの冷凍食品に農薬を混入させた事件も
異臭がするというクレームに対し、対応が遅れた
点も同様。親会社の当事者意識の欠如していた点
で共通している。

会社の事業を継続させることは経営者の最大の
使命であるが、これら5つの罠の例はいとまがあり
ません。「人間の業」としてのこれらの落とし穴は
かなり根が深いものがあります。ベストセラーの
「失敗の本質」などもマネジメントの組織として人間
としての弱さの本質を突いています。

個人としてもこれらの弱さを分かろうとすることが
大事かもしれません。これからも失敗、敗北から
学ぶことは多いでしょう。

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(もう半月で立冬 赤富士もまた来年までお預けと
 なっていく。こんなゴルフ場でプレーできることは
 幸せだ。太平洋クラブ御殿場コース)

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2014/10/12

高野登氏とリッツカールトン

ご無沙汰でした。すっかり秋めいて台風もにぎやかに
毎週訪れます。ご用心を。さて、久しぶりに講演シリー
ズでまいります。

先日ある講演会で掲題の方の講演を聴きました。
題名は「輝く組織のつくり方~すべては感謝と笑顔
から~」人とホスピタリティ研究所 高野登さんです。
もっとわかりやすくいうと1953年、長野県生まれ。
1974年渡米。NYプラザホテル、SFフェアモントホテル
などでの勤務を経て1990年にザ・リッツ・カールトン
・サンフランシスコの開業に携わる。1992年に日本
支社開設のため一時帰国後日本支社長として転勤、
大阪の開業準備に参画、2007年3月のザ・リッツ・
カールトン東京の開業後は、現在に至るです。

成功した人に共通するのは明るいこと、笑顔の人
そういう人が社風を作り、従業員は社風とおりの仕事
をするということがエッセンスです。

「日々の中のレシピ」
インプットが同じならばアウトプットも同じ。違う働き方
(インプット)になれば成果(アウトプット)も変わる。
「ありがとう」「あいさつ」を日々の中に組み込めば、
一日30回「ありがとう」を繰り返せば、回りの人が
変化に気づく。リッツカールトンでは、出会う人の変化
に気づく、四季の変化に気づくように、お客様の変化を
感じ取り、寄り添う気持ちになることを460人の大阪の
スタッフ全員でコツコツと実行した。それは、マニュアル
ではなくレシピ。幸せに仕事ができないと、人を幸せに
できない。泣くのはひとりだが、笑うことは周りを巻き込
む「力」がある。お客様の「心の鍵」を開けるのだ。

「人生のど真ん中時間」

24時|  
   |  __________
18時|  |人生のど真ん中   |
9時 |  |__時間_____
   |
0時 |_________________________________________________
0歳 20歳          65歳      90歳

上記の四角の囲みの時期・時間が仕事をこなす中心
になる。この時間帯の質で人生が決まってくる。自分
自身と向き合う。どんなレシピで、習慣で過ごすかが
大切だ。

「おもてなし」

昨年風靡した「おもてなし」という言葉、実は辞書には
ない。言葉というより概念でもある。聖徳太子に遡ると
思っている。「(和を)以って(尊しと)為す」(もってなす
→おもてなし) リッツでは「人と出会うことを以って
ワクワクとしたのものをその人に持ってもらうことがで
きるか?」を追求してきた。そのための「感性と心の
筋トレ」が大事だ。

たとえば、定期的に泊まるビジネスマンが出た後、部屋
のカウチ(いす)が窓の外を向いて置いてあった。(通常
はそうではない)そこで、メイドたちで相談して、次回
宿泊時は外向けにセッティングして前回のブランデー
グラスがあったので、ブランデーの絵を描いて置いてお
いた。するとそのビジネスマンはルームサービスを利用
して、そのことを「すっかりやられてしまった・・・」と楽し
そうに高野さんにメッセージした。リッツでは従業員が
アイディアを実行するために2000ドル/日までは自由
裁量が許されている。

このようにお客様からは多くの要望や気づきの細い糸が
出ている。これらに気づくいて糸を絆として手繰り寄せる
か、気づかずに切ってしまうかはあなた次第である。
多くのホテルは現場の都合と上司への遠慮でその糸
を切ってしまっている。リッツはお客様に気持ちよくお金
を使っていただくことにはとても貪欲だ。

「2つの力」

もの(サービス)が売れない理由は簡単だ。「あなたから
買う理由がないから」どんなお客様にどのタイミングで
何をどのように伝えるかという能力・・・① とお客様が
集まってくる力(魅力・人間力)・・・② と集客力には2つ
の要素が必要だ。①②を持った人は「夢を語る人」
でもある。

「センターピン」

「夢を語る人」の夢は必ず「期限」というものが設定され
ている。大阪のリッツは開業5年で日本一という目標を
立てて、レシピを作って積み上げてきた。そして、5年半
でそれを達成した。個人はレシピ、会社は処方箋だ。

ボーリングの10本のピンの先頭にあるのがセンターピン。
これに当たらないとストライクは望めない。本質である
センターピンを見極める力が大切。ホテル経営のセンタ
ーピンはリーダーが「明るく」、従業員はお客様が「やって
来る」力つまり集客力を持つこと。リーダーしかできない
「おもてなし」で従業員が働き甲斐を感じ、お客様に幸せ
を提供できる仕組みづくりこれこそが「お客様が集まる
社風」ということになる。ES⇔CSのサイクルである。

従業員が感謝をし笑顔で魅力的な集客力のあるホテル
の内には、鋭く磨いた感性と絶え間ない努力の積み重ね
があり期限付きの目標があり、それが達成されていく
「夢」があり、リーダーは「感謝」と「笑顔」でいるサイクル
ができているわけですね。


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