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ビジョナリー・カンパニー④

北国の平地で雪の便りも聞かれるようになりました。
ビジョナリー・カンパニーシリーズの第4弾が出てき
ました。企業に関わるものとして、この難しい時代
にどう会社をよくしていくかは大変な課題です。

そのヒントのひとつとして頼りにしているシリーズで
す。副題:自分の意思で偉大になる(ジム・コリンズ
モートン・T・ハンセン共著日経BP社)概要は不確実
な時代にあって受身で動くのではなく、自ら創造し
勝ち進む、こうした「偉大な企業」の経営概念・手法
を膨大な調査研究を基に明らかにしています。この
個人ではやりきれない量の調査をストイックにやり
切っているところが魅力です。

主に1980年代から2000年代初頭までに長期に亘っ
て躍進を続けている企業を10X(10倍)企業といい、
率いている経営者を10Xer(テンエクサー)と呼んで
います。アムンジェン、バイオメット、インテル、マイク
ロソフト、プログレッシブ保険、サウスウェスト航空、
ストライカーの7社を取上げています。

◆10Xerリーダーの特徴
(1)狂信的規律
リーダーの10Xerに共通するものは自らの探求に
集中し、妥協しない。並外れた粘り強さを持ち、自ら
設けた基準から決して外れない。それは狂信的でも
ある。90年代後半のこと、プログレッシブ保険の
株価は乱高下し、CEOのピータ・ルイスは、アナリス
トの予想ゲームに踊らされるのを避けるに不確実な
来期収益予想を止め、毎月決算を発表し、四半期
収益を市場から予想しやすくして自らの信念を貫い
た。

(2)実証的創造力
10Xerリーダーは不確実な時代に目標を定める時、
社会通念を無視する。専門家の提言も気にしない。
注目するのは専ら実証的データだ。それを基に創造
的な行動に出る。94年インテルのCEOアンディー・
グローブは前立腺の腫瘍の可能性が高い知らされ
た。自ら医学論文を読んで、前立腺には統一見解
がないことを知った。最終的には論理的結論を自ら
導くしかないと判断し、外科手術、放射線、化学療法
の併用を選んだ。

(3)建設的パラノイア
マイクロソフトのビル・ゲイツは「常に恐怖を感じて
経営すべきだ。・・個人的にはいつも失敗した場合
のことを考えている」と語っている。彼はオフィスに
ヘンリー・フォードの写真を掲げていた。後にGM
にトップを明け渡したように、どんな偉大な起業家
でも追い抜かれるという事実を自分に言い聞かせる
ためだ。徳川家康が三方原の合戦で破れた家康が
直後の自分を描いた絵を掲げていたことを思い起こ
させる。

(4)レベル5野心
上記3つの資質に命を吹き込むのが、やる気の原
動力「レベル5野心」だ。10Xerリーダーははたから
見ると偏執狂でノイローゼ気味な変わり者に見える。
大勢の人を虜にするほど魅力的な野心にある。
個人的なエゴや利益を超えて偉大な企業を築いたり
世界に変革を起こしたりするような大目標を達成し
ようとする。

◆10Xerリーダーの経営概念・手法
(1)20マイル行進
10X企業は「20マイル行進モデル」と呼ぶモデルを
体現している。長期に亘って一貫性を保ちながら
工程表にしたがって着々と進むのだ。暑いときでも
寒いときでも一日20マイルのペースを維持する。
それはあたかも南極点到達のアムンゼン隊とスコット
隊の違いに現れている。20マイル行進は単なる
哲学ではない。軌道から外れないようにするための
工程表だ。
サウスウェスト航空は、好況時に自制心を働かせる。
自らの能力を超えて拡大しないようにすることで、
収益基盤と企業文化を守っている。運行開始から
8年間は地元テキサス州以外には進出しなかった。
州外への歩みは慎重で東海岸へ到達したのは
操業から四半世紀経っていた。

(2)銃撃に続いて大砲発射
不確実で不安定な環境下にある時、イオノベーション
一本やりでは壊滅的な打撃を受ける可能性がある。
謝ったイノベーションに賭けてしまうかもしれない。
イノベーションか破滅かの二者択一の世界と決別する
方法がこれ。海戦で敵船から威圧されているとする。
限られた火薬を集めて一発ドンでは死を待つだけだ。
火薬の一部だけを使って銃弾を撃つ。目標から40度
外れた。次は30度。次は10度。そして4回目に船体
に命中。次は残った火薬をかき集め大砲で撃沈。
生き残ることが出来る。

(2)死線を避けるリーダーシップ
10Xerリーダーは突発的な変化が猛スピードで破滅
的に訪れるとの前提で行動する。
・バッファーを用意する
 万が一に備えて現金など手元資金を積み上げ、バッ
 ファー(緩衝材)を用意する。
・リスクを抑える
 10Xerリーダーは保守的でリスク回避型の手法で
 会社を率いている
・ズームアウトに続いてズームイン
 10Xerリーダーは「二重レンズ」の資質を備えており
 ズームアウトし、ズームインする。環境変化に細心
 の注意を払いつつ目標を達成する。

このようなリーダーの下で10X型企業はリスクを抑えつ
つ優れた成果を継続して出しているということです。
イノベーションという言葉が定着しましたが、リスクの
の回避をいつも念頭に置いて、自分の尺度をしっかり
持ち、身の丈に合ったペースで着実に前進する偏執
狂的意思と行動の持ち主が10Xerリーダーということ
ですね。頭の整理はできました。実行は自分自身
ですね・・・

20121116063603

(事務所から初冬の生駒山日の出を望む)


 

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