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津波から研修生を救った一人の日本人

先週に引き続き到知出版社「ひたむきな人生を送
った一流たちの金言2」から、今日3.11一周年の
話題を引用します。

中国ではいま
一人の日本人男性の命懸けの行為が
国民の間で大きな感動を呼んでいます。
宮城県女川町の佐藤水産専務・佐藤充さん。享年
五十五歳。

子どもの頃から私の尊敬する先輩であり、
石巻木鶏クラブの大切な仲間でもありました。

2011年3月11日。
東日本を巨大地震と大津波が襲ったこの日のことは
私たちの記憶から一生消えることがないでしょう。
佐藤さんはその時、
港のすぐ傍にある会社で業務に当たっていました。
・・・
近年では中国遼寧省の大連から研修生を受け入れ
ており、
三年という期限付きで二十人が加工や出荷に携わっ
ていました。
震災が起きたこの日も、
いつもどおり冷たい水作業に手をかじかませながら
和気藹藹と仕事に勤しんでいたのです。

午後2時46分、突然の激しい揺れが襲いました。
驚いた研修生たちはすぐに寄宿舎の傍らの小高い
場所に避難しました。
しかし、彼女たちには津波に対する十分な知識が
ありません。
佐藤さんは怯えながら寄り添う研修生の姿を発見
するや
「もうすぐ津波が来る。早く避難しなさい」
と大声で伝え、高台にある神社まで連れて行きま
した。
そして、残っている従業員や研修生はいないかと、
自らの危険を顧みることなく再び会社に戻ったので
す。

すでに津波は目前に迫っていました。
水かさは一秒ごとに増していきます。
佐藤さんは屋上に逃れたものの、
高台にいる研修生の前でついに社屋ごと津波に
呑まれ、
そのまま行方が分からなくなりました。
研修生たちはなすすべもなく、
泣きながら見守ることしかできなかったといいます。

大雪の中、帰る場所を失い途方に暮れる研修生たち
を助けたのは佐藤さんの兄で社長の仁さんでした。
・・
二十人全員を無事中国に帰国させたのです。
・・
中国のテレビや新聞は一斉に報じました。
報道は国民の間で大きな反響を呼び、
同国のポータルサイトには
「彼に愛は国境がないことを教えてくれた」
「彼の殺身成仁(身を殺して仁をなす)精神を中国人
は決して忘れない」という声が殺到しました。

先週月曜日に到知出版社の全面広告が全国紙に
掲載されました。偶然ですがブログとタイミングが
合っていました。そこには「一途一心」がキーワード
となっています。私たちの世代はこういう言葉にとて
も照れを感じてしまうものです。しかし、これこそが
今の日本に必要な要素かもしれません。

「一途一心とはひたすら、ひたむきということである。
一つ事に命を懸けること、ともいえる。
あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、
欠かすことのできない心的態度である。
物事の成就はこのコア(核)なくしてはあり得ない。
イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏は、
ある時若い人たちから成功の秘訣を問われ、
「二つある」と答えて白板に、

「コツコツ」

――と板書されたという。
コツコツは一途一心と同義である。
その根底にあるのは無心である。
心に雑念妄念が入っては、人間、コツコツにはなれ
ない。

人生の先達も一致して一途一心の大事さを説いて
いる。倫理研究所の創始者、丸山敏雄氏の言葉。
「己の一切を学問にささげ、事業に傾け、仕事に没頭
してこそ、はじめて異常(ふしぎ)の働きができる。
己の大きな向上、躍進、完成は己をむなしくすること
である。身をささげることである。
ここに必ず、真の幸福が添うのである」
森信三著『修身教授録』にある言葉。

「真の“誠”は
何よりもまず
己のつとめに打ち込むところから始まるといってよい
でしょう。すなわち誠に至る出発点は、
何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。
総じて自己の務めに対して、
自己の一切を傾け尽くしてこれに当たる。
即ち、もうこれ以上は尽くしようがないというところを、
なおもそこに不足を覚えて、
さらに一段と自己を投げ出していく。
これが真の誠への歩みというものでしょう」

その膨大な著作から小社が三百六十六語を選んで
編んだ『安岡正篤一日一言』。
その中にも教えを凝縮したような次の言葉がある。

「何ものにも真剣になれず、したがって、
何事にも己を忘れることができない。
満足することができない。楽しむことができない。
常に不平を抱き、不満を持って、
何か陰口を叩いたり、
やけのようなことをいって、
その日その日をいかにも雑然、
漫然と暮らすということは、人間として一種の自殺行為
です。社会にとっても非常に有害です。毒であります」
では、どういう生き方をすればよいのか。

「いかにすればいつまでも進歩向上していくことができ
るのか。
第一に絶えず精神を仕事に打ち込んでいくということです。
純一無雑の工夫をする──
近代的にいうと、全力を挙げて仕事に打ち込んでいく、と
いうことです」

「人間に一番悪いのは雑駁とか軽薄とかいうこと(中略)。
これがひどくなると混乱に陥ります。
人間で申しますと自己分裂になるのです。
そこで絶えず自分というものを何かに打ち込んでいくこと
が大切です」
(到知ホームページより)

010

(奄美大島)

024

(種子島)

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