« 所作 | トップページ | 歴史の語り部 »

エンデュランス号漂流

「1914年12月、英国人探検家シャックルトンは
アムンゼンらによる南極点到達に続いて、南極
大陸横断に挑戦した。しかし、船は途中で沈没。
彼らは氷の海に取り残されてしまう。寒さ、食料
不足、疲労そして病気・・・絶え間なく押し寄せる
さまざまな危機。救援も期待できない状況で、
史上最悪の漂流は17カ月に及んだ。そして遂に
乗組員28名は奇跡的な生還を果たすーー。その
旅の全貌。」(新潮文庫帯よりアルフレッド・ラン
シング著、山本光伸訳)

以前からずっと気になっていたシャックルトンの
物語。たまたま職場の同僚が持っていたので
借りることにしました。チリの炭鉱落盤事故、大平
洋戦争のガダルカナル戦、ニューギニア戦線、イン
パール作戦、満州引き揚げ等々究極の状態の
人々の姿は鬼気迫るものがあります。

エンデュランスは忍耐とか我慢を表しますが、まさ
にその名前の通りの旅でむしろ船は氷の圧力で
早々に崩壊、沈没むしろそれからがこの物語の
すさまじいドキュメントです。南極圏でなぜ17カ月
も生きていられたかは、アザラシやペンギンの脂肪
が鍵を握っています。燃料として28名の命をつな
いでいきます。持参した食料、装備を駆使していま
すが、アザラシ肉は男たちを支えました。零下20度
を下回る酷寒の氷上をどうやって生き抜き、移動し
流氷から非常用ボートに乗り移り、南極圏を脱出
して捕鯨基地のサウスジョージア島へたどり付きま
す。途中の島エレファント島に22名を置き、サウス
ジョージア島へ上陸時に3名を置き、最後は3名で
島の陸上を走破して基地に到着し、仲間を救援し
無事全員を救出します。

リーダシップの参考にと読み始めましたが、思わず
可能性ゼロの世界ではないかと絶望的な気分に
襲われます。全員救出と分かっているから読めます
が、この世のものとも思えぬ悲惨な状況に緊張の
連続に耐える精神力、体力と何とかなる楽観的な
考え方、自信がリーダのシャックルトンが皆に与えた
ものだと感じ、ただの感動を越えた何者かありました。

ただし、必要な物資、特に専門知識(航海術、凍傷
衛生の知識等)が裏打ちされていないと100%不可能
ですね。六分儀を使って南極圏の孤島であるサウス
ジョージア島にわずか10メートルに満たない船でたどり
ついた技術もすごいです。

隊長シャックルトンは経験者といっても陸上の専門家、
航海における専門家はワースリー船長でした。今回
リーダの一番重要な役割は決断はもとよりですが、
28人のメンバーを技量、性格を見抜いて、チーム分け
の人選にあるように思えました。実に慎重に時間をか
けて考えています。

<南極横断探検隊ウィキペディア紹介文>

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E5%8D%97%E6%A5%B5%E6%A8%AA%E6%96%AD%E6%8E%A2%E6%A4%9C%E9%9A%8A

|

« 所作 | トップページ | 歴史の語り部 »

コメント

映画ではイギリスの俳優、ケネス・ブラナーがシャクルトンを演ったのですが、後で本を読んでもイメージのギャップが無くぴったりだと思いました。機会があったら、映画も観てみられたらいかがですか?

投稿: 理恵 | 2012/02/14 23:00

ありがとう。確かにリアルでしょうね。

投稿: Shun | 2012/02/15 05:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/37225/53963747

この記事へのトラックバック一覧です: エンデュランス号漂流:

« 所作 | トップページ | 歴史の語り部 »