« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月の投稿

2010/09/25

現場の意味

「現場、現実、現物」といった三現主義を会社でも
唱えられてています。私も机の前のところに戒め
として貼り付けています。「踊る走査線」でも有名
な「事件は会議室で起きているんじゃない。現場
で起きているんだ!」と叫ぶシーンがあります。
いかに現場で起きていることを的確に捉えていく
かが企業の命運を握っているとも言えます。

本ブログでも再三取り上げている宋 文洲氏の
メルマガから少々題材を紹介し、現場について
考えてみたいと思います。

会社の支社や営業所に行きますと、自然にそこ
の社員のことを考えてしまいます。当社の「eセ
ールスマネージャー」で社員の画像から詳細な
自己紹介やインタビューを見ることができますが、
なぜか現場で会うと脳に全然違うレベルの情報
が書き込まれます。

お客さまもそうです。商談でいろいろな課題につ
いて議論を尽くしても工場や営業所の現場にいく
となぜか気持ちが変わるのです。正直いってどこ
の会社の工場も営業所も大差がありませんが、
なぜ行くと深く印象に残るのです。その後の提案
や議論の際、実感があって頭の動きがよくなる
のです。

現場への出張は数時間もかかり、旅費もかかる
ので頻繁にやれるものではありませんが、他人
の情報に頼って理屈で考えても、良い真実に辿り
付かないのです。その他人の情報が間違ってい
るのではないのに、なぜか自らその場に身を置く
かどうかで頭の働き方が違うのです。

昨日、ヤクルト中国のマーケティング責任者に会
いました。全中国にその知名度を広げ、5年であ
れだけの事業規模拡大に成功し、儲かり始めた
のは凄いと思いましたが、マーケティングと営業
の責任者から聞いたのは「泥臭いマーケティング」
という言葉です。

よく聞くと「泥臭いマーケティング」とは現場に徹底
するマーケティングのことだそうです。たとえば中国
現地の日本人社会では「外資メーカーは自前の物
流を持つのが不可能」との噂があってもそのまま
信じないで現場に確認に行くことです。短パンとポロ
シャツに着替え、現地の中国社員と一緒に汚い物流
センターに張り付いてみました。

目の前でいろいろな会社の物流が飛び交う風景をみ
ていると、なぜ彼らができるのかを聞きたくなるので
す。中国人社員と一緒に地元他社の運転手に訳をき
くと、意外とあれこれと熱心に教えてくれました。言わ
れたことを真似しながら独自の工夫を重ねているうち
に自前のセールスドライバー物流が出来上がりました。

現場に居てこそ意欲が湧き上がり、現場に居てこそ
智慧が働き、現場に居てこそ他人と絆が出来上がり
ます。

そういえばテレビ局のテレビ番組に出ていつも感じる
のですが、評論家だけの人は、間違ったことを言って
いる訳でもありませんが、なぜかずれているのです。
同じ現場を知らない視聴者なら、なるほどと思うかもし
れませんが、現場から来る人には「それは違うよ」と
言いたくなります。だからビジネス領域では「評論家」
と「空論家」が限りなく近いのです。

長い間ずっと現場に行くのと行かないのと何が違う
だろうかと考えてきましたが、昨日のヤクルトの責任
者の熱意に溢れた説明を聞いていると急にあるキー
ワードが沸きました。それは「感情」です。

現場に行かなくても確かに情報を掴むことは可能で
す。しかし、現場に行かないとなかなか感情が生じな
いのです。現場に居てこそ心に染み込んでくる愛着
と絆があるのです。それが熱意と責任感を掘り起こ
し、人間の智慧を引き出し、行動パターンを変えてくれ
るのです。

変えたいなら現場に行こう。見せ掛けではなく、本当
の現場に。

大変長い引用になってしまいました。鍵になる言葉
は最後に登場する「現場に行かないとなかなか感
情が生じないのです。現場に居てこそ心に染み込ん
でくる愛着と絆があるのです。それが熱意と責任感
を掘り起こし、人間の智慧を引き出し、行動パターン
を変えてくれるのです。」このフレーズです。これこそ
「現場」の空気を吸って初めて湧いてくるエネルギー。
「感情」「愛着」「絆」→「知恵」「行動」のサイクルが
生み出すエネルギーそのものが達成や成功、克服
といったことに繋がると確信している今日この頃です。

新しい職場で現場が少なくなりがちなので、現場へ
行こう!と我が魂に呼びかけています。


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010/09/19

ホスピタリティ

「ホスピタリティ」という言葉があります。
「1 心のこもったもてなし。手厚いもて
なし。歓待。また、歓待の精神。」
(大辞林より)といった意味
を一般的に持ちます。最近企業相手の
ビジネスでも頻繁に登場します。
リッツカールトンやディズ、ニーランドの
おもてなしが代表例として登場します。

先日、サービスビジネスにおけるメン
タル面の教育に関連し、力石寛夫氏
(チカライシコンサルティンググループ
代表)作成のDVDを観ました。大変
泣ける内容になっていて考えさせられ
ました。

多くの身近な店舗の従業員が主役と
して登場します。すこし例を引用します。
・モスバーガー
 病気の息子を持つ母親が、子どもの
 好きなテリヤキバーガーを注文します。
 ただならぬ様子に従業員は事情を聴き、
 病院へ持ち帰るバーガーにメッセージ
 を入れて渡します。

・虎屋
 足の悪いおばあさんが羊羹を買いに
 来た時、後で自宅に届けるものがあって
 伺うと、おばあさんは一服のお茶を振舞
 ってくれた。従業員は羊羹を売った後、
 それがどういう風にお客様が楽しむ
 かを想像したことが無く、そのことを
 恥じ入る話。

・パレスホテル
 ゲストリレーションマネジャーは、届けら
 れたコートのボタンを覚えていたが、
 フロアーでふとボタンのとれたコートを目
 にして、お客様の声をかける。

・ノードストローム(米国デパート)の財布
 とても気に入った財布が古くなったので、
 同じものを店先で注文するが、その型は
 もう作っていないことが分かる。
 しかし、店員は他店の倉庫を問い合わせ、
 かつメッセージ付きの小包で滞在先のホテ
 ルへ届ける。

・ロイヤルカジュアルダイニング
 Sizzler店ではお客様のコメントカードを
 大切にして従業員の活性化を図っている。
 コメントカードはファンレターとして扱って
 楽しんでサービスをするように心がけてい
 る。

・大宮林医院
 産婦人科として女性の不安な気持ちを
 大切に扱い心も体も健康に退院してもらう
 ことを何よりも大切にすることを医師、
 看護士が共有している

・りそな銀行八王子支店
 地域に根差した店舗を目指すため近所の
 清掃活動を自発的にやっている。、メガ
 バンクとしてともするとお高くとまるとみら
 れがちだが、地域との壁をなくしている。
 今ではすっかり地域に認められている

・バグジー美容室(北九州)
 技術さえよければお客様に受け入れられ
 るという思いのカリスマ美容師が従業員の
 心の部分から徹底的に変えていくことに
 目覚める話。「天使の仕事」を目指そうと、
 障害を持つ人々におしゃれの楽しさを持っ
 てもらうような従業員を生みだす

力石さんは言います。サービスには3つある。
1)精神的なサービス
2)物質的なサービス
3)技術的なサービス

2)と3)はお金で解決できるが、精神的な
サービスは、お客様の心の奥まで入ること
のできる重要な仕事で、これからの時代の
トレンドであることを強調します。

今の日本は働いている人が楽しくなさそうに
見え、CS(顧客満足度)の前にES(従業員
満足度)が出来ていないと指摘します。
ロイヤルカジュアルダイニングやバグジー
美容室の例でも従業員がとても楽しそうに
見えるし、従業員自身もそのことを意識して
います。

そのためには幹部がしっかりしていないと
実現しません。このことが結果的にお客様の
ロイヤリティを呼び、単純な値引き競争に陥ら
ないコツでもあると説きます。
いよいよ「心の時代」に入っているという
わけです。

「思いやり」「心遣い」「親切心」
「誠実な態度」「おもてなし」こそが、
お客様、家族、働く仲間といった当事者
たちが充実していく。

これが「ホスピタリティ」


なるほどです。例で出てきたのは小売業が
中心でしたが、企業間のビジネス、サービス
でも同じことが言えます。コスト競争力の
ベースの上にちょっとずつ小さな感動を上乗
せして、リレーションを好くしていく心が
継続的な取引きをしていくコツだと思い
ます。

今、サービス部署でお客様からこうほめられま
した、というホームページを開設しています。
ほほえましい些細なことこそが、ここで例示
されている満足感につがるのでしょう。

「ホスピタリティ」。これは私たちの心の持ち
ようでもありますね。力石寛夫さんのDVDは
機会があれば見ることをお勧めします。
すべてに通じることですね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010/09/12

京都紀行その2

関西に赴任し、今回の休日テーマは京都にして
います。猛暑も続いていますが、朝はそれでも
涼しくなってきました。前回の「猛暑の京都」を
皮切りに「京都紀行」シリーズを頃合いを見なが
ら掲載してまいります。

今回は涼を求めて、鞍馬、貴船のウォーキング
です。2両の叡山電車で出町柳か終点鞍馬まで
いきました。すぐに鞍馬寺仁王門(写真1)が待ち
構えています。早朝のため、人もまばらでとても
新鮮な気持ちで山へ上がれます。

今回は義経公の軸で見て回ります。7才で母親
常盤御前と別れ鞍馬寺に預けられ昼は修行をし
ていたといいますが、確かに急坂ばかりの地形
です。幼少時に鍛えておくことは大事だけれど、
もう親としては過ぎてしまったナ・・だから孫に
期待するのカモ・・などとつまらないことを考えて
しまいます。義経供養塔にお参りし、「牛若丸
息つきの水」(写真2)です。そこの水で顔と手
を洗い、さらに進みます。次が「義経公背比石」
(写真3)です。木の根が地上を這う山道を進み
義経堂(写真4)うす暗く、霊がお隠れ遊ばされ
ている雰囲気です。

「奥の院魔王殿」(写真5)650万年前に金星
から舞い降りた魔王尊(サナト・クマラ)を祭って
いるそうです。山奥の雰囲気が魔王そのもので
す。荒唐無稽さがユーモアになっているとも感じ
ます。奥の院から坂道を下ると貴船です。水を
祭る貴船は本当に清水に溢れています。川床
はあまりに有名ですが、京都市内とかなり温度
差がありますので気持よく、よくぞ風流なことを
考え出したものだと感心します。川床はまた、
別途機会を作りましょう。貴船神社奥宮近くで
見かけた「連理の杉」(写真6)は杉とかえでの
幹が合体している大変珍しいご神木で近所の
「相生の杉」とともにほほえましいものでした。

早朝に行ったので、すれ違う人も少なく、「林住
期」のわが身としてマイナスイオンとともに、清々
しい気持ちにさせる鞍馬、貴船でありました。
電車で京都に下りてくると、すぐに元の自分に
帰ってしました。まあ、ちょっとでもお清めができ
たから上出来というところ。

これからも、京都紀行シリーズはお届けしてまい
ります。

001


009


011


013


015


020

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010/09/05

解放記念日

色々な解放記念日というのが世にはあります。
私にとって今の解放記念とは住宅ローンを指し
ます。最大の負債は住宅だという人が雇用者
では多いことだと思います。

その住宅ローンを初めて組んだのは84年で
した。以来四半世紀を超えてこの重石をいつも
意識しながら過ごしてきました。先日それを
完済する日が訪れました。毎月、6,12月と
いつもいつも利息ばっかり払っているとブツブツ
言いながら払ってきたわけです。

とにかく私の歴史の中で、ひと時代が終わった
訳です。五木寛之氏のいう「家住期」から「林
住期」へと移行している自分を強く意識します。
多くの人が住宅ローン、教育費といった負担
が終了する時期が50才代半ば、後半でしょう。
だからこそ、ほっと安心してあの世に行ってし
まっては困ります。第二次世界大戦が終わった
夏、多くの地域で解放記念日としてお祝いム
ードでしたが、その後さらなる混乱や苦難が
続いた歴史もあります。解放記念の後は、自分
で新たな世界を築いていくことが肝要なので
しょう。どうも歴史がそのことを示していて、きっと
生きかたでも同じなのでしょう。

さてさて、では私の場合は?先日会社で一時
間程話をする場面がありました。今までの33
年の会社生活、ビジネス履歴から言えることを
まとめてお話しました。なかなか難しいことです。
皆さんにお勧めしたのは、今までの自分を振り
返ることから、自分の行き先を感じることができ
ます。といって知ったようなこと言ったのですが、
さてさて、私はどうなのでしょうか?向こう5年
は見えますが、その後は?このブログの根幹
のテーマなので、一言では言えませんが、今
回の解放記念日は大きな区切りであることは
間違いありません。

とにかく、今日はホットして「よかった、よかった」
ということで、長かったな・・喜びたいと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »