« 野村潤一郎さん | トップページ | 健康状態 »

2009/04/05

「ローマ人の物語」その後

「ローマ人の物語」で15巻を完成させた塩野
七生さんが「ローマ亡き後の地中海世界」(新
潮社)を昨年末世に出されました。

先の「ローマ人の物語」は西欧文明のルーツ
を「パックスロマーナ」の根幹としたその要素を
膨大な歴史的資料から選び出し、軍事、道路
や建築、上下水道等のインフラ構築、食料等
すべてを規定する法律と法治国家の概念、それ
らの政治環境を見事に描き出し、おおげさかも
しれませんが、世界観を変えるものでもありま
した。さらに人びとにとっての宗教がいかに大
きなものであるかを感じ取りました。

一神教であるキリスト教が国教となって以降
ローマ帝国が滅亡し、いわゆる中世の時代が
どうなっていったかは、学校の歴史で勉強し
た以外のイメージはほとんどありません。
今回はそういう空白を埋めることにもなりまし
た。

「秩序なき地中海を支配したのは「イスラムの
海賊」だった」と帯にもあります。富を奪い、人
間を拉致して生きていくことに宗教の対立が
理由、大義を与えるという文字通り暗黒の時
代となっていきました。その時代の長さを踏ま
えることが、現代の状況を理解する上で重要
だと考えます。

塩野さんはその権力者、庶民のエピソードを
ふんだんに盛り込み、読む者を中世の地中海
世界に引き込んでいきます。

「ローマ人の物語」以来塩野さんの鬼気迫る
情熱とリアリズムの世界が、私自身の中にある
いい意味での「頑張るぞ意識」に火をつけてい
きます。そして、将来地中海世界を旅する時に
歴史的な認識があったら、どんなにか面白いだ
ろうか・・・と想像しながら楽しんでもいます。

とにかく、塩野さんの作品は興味が尽きず、人
間の社会的活動の根源に迫る気がしています。


|

« 野村潤一郎さん | トップページ | 健康状態 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ローマ人の物語」その後:

« 野村潤一郎さん | トップページ | 健康状態 »